まあ坊の気ままな旅日記

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軽キャンからピコ、マッシュに乗り換です。
節約旅行で各地の名産物を買ったりして
楽しんでいます。最近のガソリン高騰
今年の秋旅は自作の軽キャンです(^_^)/

赤 い 糸

偶然が重なり僕らは結婚した


彼女の知人の女性に「あなた達は赤い糸で結ばれたのね」


不幸にも最初の男女の契りの儀式から足を踏み外されたばかりの


女性の言葉は何処となく妙に重みがあった。


女性に慰めの言葉かけるなんて僕らには出来なかった



妻の家族は兄二人姉一人妹一人と未亡人


妻の父は妻が幼いころ海外赴任中に突然家族の元から旅立つ


未亡人は35歳


取り残された未亡人は黙々と働いて


平凡だが幸せだった過去を忘れようとした。


寝床に入り子供たちが寝静まった頃 過去を思い出して咽び泣く未亡人


周りは再婚を進めようとしたが 彼女にはその気が無い 


しだいに周囲は諦めていった



色白で透き通った肌をした未亡人に 周りの男たちが群がろうとするが


目に見えない不思議な力が働き どの男も近づく事は出来なかった。


時が過ぎ去り 手塩にかけた子供達も旅立つ時が来た 


苦労続きの未亡人の胸の内は いかほどだろうか


天からの課せられた使命を 充分自分は果たせた


満足感で溢れているかもしれない


僕らの婚礼の儀式は恙なく過ぎていく



何年たっても女性の赤い糸の言葉が心の奥に


棘のように突き刺さったままである


ある日 突然 悲劇が未亡人を立て続けに襲いだす


頼りにしていた長男が目出度い正月 母の家で倒れる 


禍は未亡人を離さなかった



長男は脳梗塞で一命は取り留めたが 


一生他人の助けが無ければ生きていけない体になる


翌年次男が不治の病でこの世を去る 


嫁に出ていた四女も不治の病で兄の後を追う


僕らは決断しました



未亡人と障害を持った兄を呼び寄せます


前の晩電話で向かいに行くから支度して下さいと伝えると


未亡人は こちらの指示通りに行動してくれた


長年住み慣れた土地から引離すのは忍びないと気にかかりました


未亡人の表情は 無邪気にはしゃぐ童のごときである



我が家の傍に住まわせていたが


不幸は未亡人を手離そうとしないのである


彼女の挙動に同居の兄は気ずかなかった 


痴呆の発症である 僕らにとって初めてのケースばかり


いろいろ試行錯誤を繰り返し月日は流れる



未亡人を後部座席に座らせるが シートベルトが自分で出来ない


僕が未亡人にシートベルトをつけて靴を脱がせて身の回りの世話をした


未亡人は 私赤ちゃん見たい と照れた仕草を僕に見せる


「嫌かい」と未亡人に問うと 「気持ちいい」 と未亡人は


童のようにはしゃぐ



月日は無情に流れ 未亡人の記憶の中から実の息子が消えてゆき


身近な娘は 何でもしてくれる優しい叔父さん


僕はいつの間にか未亡人の父親


娘と未亡人を車内に待たせてホームセンターで買い物に行くと


未亡人は突然 「父ちゃんが誰かに浚われた」と娘に訴えては


幼子のように泣き出した


悲劇の終末です 未亡人の可愛がっていた とても小さな 


お気に入りの愛犬が



虹を渡って旅立ちました


彼女も後を追うように しばらく帰って来なくなった ただ眠り続ける。


何度か救急車の世話になる 


次期 肺炎を併発して医師も浮かない顔をし出す


そんな未亡人が看護師たちの前で細い声で呟いた


「とんとんとん とおちゃん とんとん 帰ってくる」


未亡人は私が二階の部屋から居間に戻って来るのを


いつも楽しそうに待っていたそうです



「とんとんとん とんとんとん」


未亡人は嬉しそうに聞き耳立てていたようである


僕はふと思った 未亡人の父は幼い時から娘を溺愛していたらしい


赤い糸は娘の妻でその先に未亡人がいたのではないかと


妻の導きで僕と未亡人の人生かもしれません



天国があるなら未亡人を助けたくて孫娘を使って僕の元に呼び寄せたかもしれません


妻は赤い糸 別れた女性も見えない力で僕らに近寄ってきたかもしれない


アーサー王物語で魔法使いマーリンが王の為にランスロット卿を連れてきた


だが神はランスロットの息子をマーリンに指示したのであるが その後3人の最後の悲劇


僕らはアーサー王のような悲劇で終わりたくないです。


小高い丘の上の僕の家の近くに妻の実家のお墓を立てて


この世を早く旅立って行った家族達を供養しています 



ようやく 


僕の棘が取れました。


女性は「あなた達は赤い糸で結ばれたのね」


予言通り


僕と未亡人は妻によって父娘の関係になりました。



「とんとんとん とんとんとん」


未亡人の呟き 今でも心に響きます。




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