外伝 道の駅流氷街道網走 網走キネマ館 義兄弟編
昔、僕らが結婚した当時。
妻の兄が独身で工場の中の部屋に住込みで働いていたんです。
兄は、口下手のお人よし、しかし仕事は光るところがあり
仕事先の官庁関係からも指名された仕事をこなしていました。
兄の腕の良さと人の良さに付け込んで
スナックで知り合った悪友に騙されては、
ただで徹夜で悪友の仕事までこなしていました。
その悪友は仕事と別の顔を持っていたんです。
薬の売人で一儲けを企んでいました。
世の中 そんなに甘くないです。
薬売るつもりが 売れなくて 仕事のつかれをとるために悪友は中毒です。
程なく彼は逮捕です。
兄が悪友に頼まれて、有り金全部貸していた矢先の出来事でした。
悪友の裁判は意外に早く審判が下ります。
覚せい剤の販売は重罪 実刑は当たり前です。
彼は重罪人が入る網走番外地へと護送です。
季節が変わり春めいた時です。
悪友から兄へのメールです。
ちょうどカナダからの手紙♪が流行した頃でしょうか、
兄から悪友さんの手紙を拝見させてもらいました。
悪友さんの手紙
達筆で驚きました。 別の人生歩めなかったのかと不思議に思いました。
彼の手紙の最後に
こう書かれて締めくくられていました。
借金を返せなくなり済まない事をしました。
いつか働いて全額返済する予定です。
お酒は体に良くないので程々に
悪い人には騙されないように注意して暮らすように。
くれぐれも お体に気をつけて下さい。
兄と僕と妻 三人は 悪友の達筆な文面を見て笑いがとまりませんでした。